森のコーヒー物語2
こーひーたよりvol.130
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「森のコーヒー生産者グループ」のジョン・ネットさんは、自分の農園「サント・アントニオ農園」の中に、コーヒー収穫後の処理をする機械をすべて自分で設備しています。 通常のコーヒー生産者は、農協や大手輸出業者に収穫後の処理は委託しています。 なぜ、ジョン・ネットさんは、自分ですべての処理機械を設備したのか? それは、自分のコーヒーに自信がある、大切に思っているので、最後の最後まで自分で仕上げたいという気持ちが強いからなのです。 もちろん、設備機械の減価償却が重くのしかかってきますので、農園経営的には大変です。 しかし、農協に処理を委託すると、混み合っている時には時間もかかりますし、自分の思うようなタイミングでの処理ができません。 コーヒーを、自分の作品のように思っているジョン・ネットさんからすると、それは耐えられないことなのです。 最後の最後まで自分でつくり、完璧を期して、袋詰めして送り出す。それが「森のコーヒー」なのです。
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ジョン・ネットさん |
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| サント・アントニオ農園の納屋の中に設置された コーヒーの収穫後の処理設備 |
地下に設置された挟雑物を、下から風を送って 取り除く機械・スルルッカ フルテゥアンテ |
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| 色で欠点豆を取り除くカラーソーター | ベネフィシアドール | 森のコーヒーの麻袋を持つジョン・ネットさん |
こーひーたよりvol.129
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「森のコーヒー生産者グループ」のジョン・ネットさんの農法は、農薬は一切使用しませんし、肥料もやりません。 「それで、よくコーヒーが収穫できますね。 常識では考えられません。」とジョンさんに訊いたことがあります。 ジョンさんの答えは、 「森の力(ちから)を使うからさ。」 というものでした。 コーヒー発祥の地・エチオピアでは、コーヒーは、森の中に生えています。 コーヒーは、日光を好む植物にもかかわらず、日当たりが強すぎると元気がなくなってしまいます。 森の中で生きることによって、他の背の高い木が、コーヒーのために日陰を作ってくれるのです。 コーヒー農園の中に、いろいろな木や、動物や、昆虫、微生物が共生し、生き物の"森"を作ることにより、自然の生物ピラミッドができ、病害虫にも天敵ができることによって、特定の病害虫が、爆発的に発生することがなくなるのです。
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森のようなコーヒー農園の中で |

ジョン・ネットさん

まっ赤に熟したコーヒーチェリー
こーひーたよりvol.128
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また、ここに戻ってきました。 毎年、収穫の時期に訪れる「森のコーヒー生産者グループ」ジョン・ネットさんの「サント・アントニオ農園」。 今年は、7月8日に「サント・アントニオ農園」に着きました。 私達が農園に着いた時、ジョン・ネットさんは、コーヒーのテヘイロ(乾燥場)にいました。 ジョン・ネットさんのコーヒーの作り方は、ちょっと特殊なやり方です。 真っ黒で、水にいれると浮くことから、ポルトガル語でこのような実をBoia(ボイア=浮く実)と呼びます。 このコーヒーの特徴は、果肉の甘味成分が、種であるコーヒーに吸収されて、コーヒーが通常の収穫方法のものより甘くなることです。
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サント・アントニオ農園のテヘイロ(コーヒー乾燥場) |

完熟したコーヒーチェリーの乾燥状態をチェックするジョン・ネットさん

コーヒー果実の香りを嗅ぐ
こーひーたよりvol.122
サン・アントニオ農園の昼食
「森のコーヒー生産者グループ」のジョン・ネットさんの農園・「サント・アントニオ農園」でいただく昼食は、健康的でとても美味しいので、私はいつも楽しみにしています。
通常のブラジルの食事は、どうしても肉中心で、野菜が少なくなりがちですが、ジョン・ネットさんのところの食事はぜんぜん違います。
まず、農園内でとれた有機栽培の野菜。 たまに、なんだかわかない葉っぱのようなものもありますが、植物に関してはジョン・ネットさんは詳しいので、まず食べても大丈夫です。
そして、米は、玄米と白米。 好きな方を選べます。
そして、肉。 農園で放し飼いにしている牛の、有機の肉を食べられます。
ブラジル人が毎日食べる"フェジャウン"。 小豆に似た豆です。 これを、米の上かけて食べます。 イメージとしては、納豆のようなものです。(味はぜんぜん違いますが。)
あまりにも美味しいので、食べ過ぎてしまうのが少し困ります。

こーひーたよりvol.121
コーヒーの苗木
通常のブラジルのコーヒー生産者は、苗床(viveiro)を作って、コーヒーの苗木(muda)を育てます。 その後、苗木をコーヒー農園に定植します。
このことについても、「森のコーヒー生産者グループ」のジョン・ネットさんは、独自の考えをもっています。
「コーヒーの気持ちになって考えると、子供の頃は、完全に守られた環境(苗床のこと)にいて、ちょっと大きくなったら、まったく違った環境(農園のこと)に放り出される。これは、ストレスが大きいだろう。」
とジョン・ネットさんは言います。
「だったら、最初から、農園にコーヒーの種を播いた方がいい。 コーヒーも生まれた環境でそのまま育てば良いのだから、ストレスがない。」
と言って、せっせとコーヒーの種を農園に播いています。
そして、出てきたコーヒーの苗を見せてくれます。
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| コーヒーの苗木を探すジョン・ネットさん | 「ほら、どうだ。」とコーヒーの苗木を見せるジョンさん | ||
こーひーたよりvol.120
コーヒーの"香り"をみるマルさん
先月お話ししましたようにジョン・ネットさんの長男のジョンさん(同じ名前)は、フォルクスワーゲン社のエンジニア・デザイナーです。
ですので、「サント・アントニオ農園」のコーヒー栽培の仕事を継ぐとは思えません。
期待がかかるのが、ジョン・ネットさんの次女、マルさんこと、マリア・ルイーズさん。
彼女は、フロリアノーポリスの大学で、海洋学を専攻していました。
話していても、ジョン・ネットさんを上回るかもしれないナチュラリストです。
「もし、父の農園が、普通のコーヒー農園のように農薬を使用してコーヒーを作るような農園だったら、私は全然興味がなかった。」
髪を後ろでキリリと縛り、カッピング(味見)をするマルさん
彼女は、今、ジョン・ネットさんの下で、ジョン・ネット農法の勉強をしています。
「でも、父の農園は、普通の農園とぜんぜん違う。 農園の中が生きもので満ち溢れている。」
マルさんの趣味は、農園のなかにいる、花、動物、昆虫の写真をとることです。 農園に行くたびに彼女の最新の作品をみせてもらいます。
マルさんは、コーヒーの品質にも興味があり、私が行くと、必ずいっしょにカッピング(味見)をします。
彼女がジョン・ネットさんの後を継いでくれることを祈っています。
(でも、ジョン・ネットさんもまだまだ全然元気です。)
↑マルさん(次女) ↑ジョンさん(長男) | ジョン・ネットさん(父)とコーヒーの味について意見交換するマルさん | 私も一緒にカッピングします。 ↑ |
こーひーたよりvol.118

ジョン・ネットさん
また、ここに戻ってきた。
毎年、ジョン・ネットさんの「サント・アントニオ農園」を訪れるときにそう思います。
「森のコーヒー」のスタートになった農園であり、ジョン・ネットさんの思想が具現化した農園でもあります。
ブラジルの農業は、最初、焼き畑農業から始まりました。 もともとブラジルの国土はジャングルに覆われていました。 そのジャングルを開墾し、焼き払ったところからブラジルの農業が始まっています。
ほかならぬ、ジョン・ネットさんの祖先もそうしていました。 そして、コーヒーのみの単作で農業を始めました。
ジョン・ネットさんも、最初はそのように単作でコーヒー栽培をしていたのですが、単作の結果、生物相が単純化し、ひどい病虫害に襲われるようになりました。
長年、農薬を使用して通常の農業をしていたのですが、今から15年前に、農園をもとの"森"に戻すことを考えつきました。
多様な生物種が存在すれば、どの生物種にも食う、食われるの関係をもつ生物種が必ず存在するようになり、特定の害虫のみが大繁殖するということはなくなるからです。
そして、「森のコーヒー」が誕生しました。

森林状態になり、直射日光も入らなくなる。
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コーヒーチェリー(コーヒーの実) |
さび病も天敵の微生物によって |
こーひーたよりvol.117

NPKと床に書いてご自分の有機農業理論を
説明するリカルドさん
「森のコーヒー生産者グループ」の中でも、ブラジル有機栽培コーヒーの「鉄人」と呼べる生産者がリカルド・アギアールさんです。
リカルドさんは、「森のコーヒー生産者グループ」の中でもズバ抜けた有機農業の理論家です。ブラジルの農業大学の中で、一番の名門校・「ラブラス大学」でコーヒー栽培を専門
に勉強し、大学院にまで行って、コーヒーの研究に明け暮れました。
リカルドさんは、肥料の3要素である、窒素(N)、リン酸(P)、カリ(K)を、化学肥料を全く使用せず、すべて有機の資材で置き換える方法論を確立しています。
その方法論は、リカルドさんの企業秘密ですので、ここで書くわけにはいきません。
有機栽培コーヒーの生産者は、たいてい自分自身の体験から編み出した独特の栽培方法を持っています。 ただそれは、その人しかできない、その地域でしかできない、という再現性のないノウハウであることがほとんどです。
しかし、リカルドさんは、ご自分の有機農業方法論は、誰がやっても再現可能な理論であると言っています。
現在、リカルドさんは、有機栽培コーヒーをつくることに情熱のある生産者がいれば、彼のノウハウを教えて、ぜひ有機栽培コーヒーの生産に成功してもらいたいと思っています。

N・P・Kの働きをする有機の資材を複数組み合わせます

それぞれの有機資材
こーひーたよりvol.116
「森のコーヒー生産者グループ」の中でも、ブラジル有機栽培コーヒーの「鉄人」と呼べる生産者がリカルド・アギアールさんです。 リカルドさんは、ブラジルで、有機・無農薬栽培コーヒーの生産に挑戦する生産者のほとんど挫折して、成功できない最大の理由が、自身の農園内で堆肥が製造できないからだ、と言います。 農園の外から、堆肥の原料を購入して運び込むと、コストがかかりすぎて、コーヒー栽培が成り立たないと言います。 唯一の方法は、外から原料を運び込むのではなく、極力農園内で、自分で堆肥を製造することです。 そのため、リカルドさんは、農園内で豚と牛を飼っています。 豚と牛を農園内で飼うことで、外から資材を持ちこまなくても、農園内で物質の循環が完全にできるようになり、余分なコストがかからなくなるのです。
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リカルドさんと私 |
リカルドさんの農園内にある豚舎 | ブタ達 | 養豚するリカルドさん |
牧畜するリカルドさん | 牛達 | 牛 |
こーひーたよりvol.115
地面の上に布を敷いて、その上にコーヒーチェリーを落とします。
「森のコーヒー生産者グループ」の中でも、
ブラジル有機栽培コーヒーの「鉄人」と呼べる生産者がリカルド・アギアールさんです。
リカルドさんは、「森のコーヒー生産者グループ」の中でもズバ抜けた有機農業の理論家です。 ブラジルの農業大学の中で、一番の名門校・「ラブラス大学」でコーヒー栽培を専門に勉強し、大学院にまで行って、コーヒーの研究に明け暮れました。 現在リカルドさんは、人生のすべてを有機・無農薬栽培コーヒーにかけています。 朝は、5時から農園に行き、まさに"人間ブルドーザー"という渾名がふさわしい働きかたです。 リカルドさんが、私に何度も語るのが、有機・無農薬コーヒーの栽培は、常に先を見て手を打ってゆかなければならないということです。 それも、1年というスパンではなく、3年先のために、ということをよく言います。 本日農園に撒いている有機肥料は、今期の収穫のためにやっているのではなく、3年先の収穫のためにやっているのだ、ということを私に説明してくれます。 有機肥料は、化学肥料のような即効性はありません。それが、彼の「3年後のために、今、有機の施肥をしているのだ。」という表現になるのだと思います。 |
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リカルドさんは、JAS有機認証、レインフォレスト認証、ウツ認証を取得しています。(袋に取得した認証が印刷されます。) |
コーヒーの乾燥状態をチェックするリカルドさん |













