森のコーヒー物語1
ジョン・ネットさん編5
リカルド・アギアールさん編
「森のコーヒー生産者グループ」の中でも、ブラジル有機栽培コーヒーの
「鉄人」と呼べる生産者がいます。
リカルド・アギアールさんです。
通常、ブラジルのコーヒー生産者のコーヒーの生産性というのは、有機栽培ではない、通常の農薬と化学肥料を使用したコーヒーの場合で、1ヘクタールあたり(ビッカ・コリーダ=精選前のコーヒーが1袋約60Kg)で30袋ぐらいです。
ところが、このリカルドさんは、有機栽培で、ヘクタールあたり45~50袋の無農薬・無化学肥料栽培コーヒーを作ります。
これは、驚異的な生産性です。
リカルドさんは、有機JASの認証もとっています。
ブラジルの有機栽培の生産者は、皆、生産性の低さに悩んでいます。
農薬と化学肥料を使用する「通常農法」と比較すると、無農薬・無化学肥料の有機栽培は、常に生産性が悪くなると大多数のブラジルの有機コーヒー生産者は言います。
特にブラジルでは、この生産性の低さに嫌気がさして、有機栽培をやめる生産者があとを絶ちません。
リカルドさんは、できれば自分が編み出した、この生産性を上げて有機栽培コーヒーを作る方法を、他の有機栽培の生産者にも教えたいと話していました。
リカルドさんの強みは、コーヒー農園内に牛を飼い、その糞などを有機肥料として使用できることです。
外から有機肥料を持ち込まずとも、同じコーヒー農園内で、有機肥料を生産できるということが、リカルドさんの成功の秘密です。
このようにコーヒー栽培に使用する大量のコンポスト(堆肥)を作っています。
カルロス・サングラールさん編1
カルロス・サングラールさんの農園は、
ブラジルではめずらしい海抜1,200mの
高地、素晴らしい環境の場所にあります。
農園内には、コーヒー以外のいろいろな
植物が植えられています。
完全な無農薬栽培です。
バナナの木が、多数植わっています。
森のような農園になっています。
カルロス・サングラールさんです。
この素晴らしい環境の中で、カルロスさんは、
天日干しでコーヒーを作っています。
アフリカンベッドと呼ばれる、高床式の
乾燥棚です。 ブラジルでは、terreiro suspenso
と呼ばれています。
この高床式の乾燥棚の上で天日乾燥される
コーヒーは、良い品質を作るために、
湿気を持たないように常に攪拌する
必要があります。
農園主みずから、重要な攪拌の
作業を見せてくれました。
棚の下の部分は、網になっており
空気の抜けがよく、湿気がたまらないように
なっています。
魅力的な風味を持ったコーヒーが出来上がります。
コーヒーの栽培には、農園のある場所の
微気候、土壌、標高などがとても重要になりますが、
その点では、カルロスさんの農園は、本当に
恵まれた場所にあります。
ジョン・ネットさん編4
ジョン・ネットさんの朝は早く、
6時には自宅で朝食をとり、農園に
出かけます。
朝食の内容は、パンにバター、チーズ、
コーヒー、果物というシンプルなメニューです。
コーヒーは、奥様が作られます。
挽いたコーヒーと水を一緒に沸かし、それをネルで濾すという
ブラジル式のコーヒーの入れかたです。
「サント・アントニオ農園」の無農薬コーヒーをいれられますので、
とても美味しいコーヒーが飲めます。
お昼は、農園のゲストハウスでいただきます。
典型的なブラジルのお食事です。
お米にフェジャウンという小豆のような豆の
煮たものをかけて食べるのが主食です。
ジョン・ネットさんは、農園内でとれたいろいろな
野菜をサラダにして食べています。
奥様とお嬢様の写真です。
主食のフェジャウン豆。
フェジャウン豆をかけて食べるお米。
ジョン・ネットさんは、白米と玄米を両方とも
用意しています。
野菜は、農園内で採れた有機野菜で、
中には薬草のようなものも混じっています。
牛肉も有機牛肉です。
上記のように盛って一人前になりまうす。
食後のフルーツも豊富です。
プリンもあります。
ご馳走様でした。
ジョン・ネットさん編3
ジョン・ネットさん編2
ジョン・ネットさんの農法は、コーヒーの果実
(コーヒーチェリー)を樹上で完全に完熟させる
方法です。
コーヒーチェリーは、未熟の時は緑、熟してくると
赤、そしてバイオレットになり、最終的に
黒色になります。
これが、未熟のコーヒー果実です。
緑色をしています。
ブラジル語で、VERDE(ヴェルジ)と呼びます。
熟してくると、このように赤くなってきます。
ブラジル語でCEREJA(セレージャ)と呼びます。
そして、最終的にコーヒーチェリーは、真っ黒に
なります。
その黒になったもののみ収穫するのが、
ジョン・ネットさんのやり方です。
この方法は、ジョン・ネットさんの農園のある場所が、
収穫時期に雨がほとんど降らず、乾いていて、
湿気がないために可能になっています。
湿気のあるコーヒー産地では、この方法は不可能です。
すぐにコーヒーチェリーが発酵してしまいます。
ジョン・ネットさん編1
ある有機農業関係の人から、ブラジルで無農薬栽培で
コーヒーを栽培している生産者がいるという話を聞きました。
しかも、その生産者は、超密植でコーヒーの木を植え、
彼の農園は、まるでコーヒー樹の”森”のようなになっている
とのことでした。
1994年のことです。
そんな話を聞くと、居ても立ってもいられなくなるのが、
私の性格です。
すぐにブラジル行きを決意しました。
そこで私が見たものとは・・・、
通常のコーヒー農園では、コーヒーの収穫を容易に
するため、コーヒーの木は、あまり高く伸ばしません。
1.6mくらいで剪定します。
これが、通常のコーヒー農園です。
しかし、私がブラジルで見たジョン・ネットさんの
農園は、
コーヒーの木が4m以上に伸ばされた、
まさに”森”のような農園でした。
サント・アントニオ農園
オーナーは、ジョン・ペレイラ・リマ・ネットさん
彼は、コーヒー農園主・5代目
農場面積440ヘクタール、
コーヒー栽培面積240ヘクタールです。
コーヒー農園のうち、100ヘクタールが密植植えです。
密植という意味は、1ヘクタールあたり、6,000本から
26,000本のコーヒーの木が植えられています。
1986年から無農薬栽培をスタート、その後、
肥料を一切使用しない、“自然栽培”に転換しました。
有機栽培の認証は、
ブラジルの権威ある認証機関IBD
Instituto Bio Dinamico(バイオダイナミック研究所)
よりされています。(ただし、日本の農林水産省の
JAS有機の認定ではありません。)
ジョン・ネットさんの自然農法とは、
農薬を一切使用せず、化学肥料も一切使用せず、
コーヒー発祥の地、エチオピアのジャングルを
理想とし、サント・アントニオ農園をエチオピアの
ジャングルのような自然体系に戻そうとするものです。
ジョン・ネットさんが、私に書いてくれた
農園のジャングル化の設計図です。
エチオピアのジャングルの中では、
コーヒーの木は、ジャングルの中に生えていて、
ジャングルの中では、色々な木、植物、動物、昆虫、微生物、
とコーヒーの木は共生しています。
農薬、化学肥料の使用もありません。
そして、生態系のバランスがとれています。
枯葉の落ちた地面は、ふかふかで
農薬を使用していないため、
何万とも言われる微生物が生息
しています。
ジョン・ネットさんは、常に土を見ています。
土の変化から、農園の状況を判断しています。
土は柔らかく、手で簡単に掘ることが
できます。
ジョン・ネットさんは、土の匂いを
常に嗅ぎます。
こちらは、農薬を使用している、別のコーヒー農園の
地面です。 カチンカチンにまるで
コンクリートのように硬くなっています。
地中微生物も死に絶え、生命の
全くない土になってしまっています。
サント・アントニオ農園の柔らかな土と
比較してみてください。


